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愛媛面影
五宇和郡
吉田(○○) 万治元年宇和島城主伊達侍従秀宗朝臣三男宮内少輔伊達宗純朝臣に、吉田三万石お分知し給へり、同二年正月十一日より普請おはじめ、同三年、家中造営成就せり、それより代々相続し給へり、外廓に河水お湛へて、おのづから城郭の勢お成せり、〈◯中略〉 宇和島(○○○)城 城山海岸に臨て、遠くより望めば風景殊にめでたし、山はさしも高からねども、西面に海上島々おめぐらして、おのづから要害の勢おなせり、慶長十九年、仙台中納言伊達政宗卿男伊達侍従秀宗朝臣、新に拾万石お賜はりて、此城に移らせ給ひしより此かた、連綿として相続したまへり、