[p.0939]
筑前国続風土記
十七
糟屋郡 此郡東には高山有て、穂波鞍手の両郡に隣り、南は御笠に接し、西南に席田郡有、西北に海おおふ、且裏粕屋は東は宗像郡に交れり、表裏お合すれば、南北は長く、東西は短し、土地肥饒して良田多し、山多く海広く、川流れて魚塩薪材ともしからず、郡中に宿駅有て、諸方の旅人に対接し、且城邑に近くして便利多し、長政公入国の後、大郡なればとて表裏にわかれて、伊野香椎の山の南表糟屋とし、北お裏糟屋と称す、