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筑前国続風土記
十一
穂浪郡 此郡の名の初て国史に見えたる事、前〈◯嘉摩郡条〉にしるせり、嘉摩郡と同じ、此郡は嘉摩郡と相ならびてつヾけり、嘉摩は東南にあり、南郡一河内に有て、同郡の如し、但南の方は専ら嘉摩にて、北によりては嘉摩穂波東西にわかれ、嘉摩の東にあり、西は穂波なり、山深くして薪材ゆたかに、川流れて炎旱の憂なく、土地肥饒にして種植の利多し辺鄙にして民俗いやしく、言語つたなしといへども、頗質実にして、厚きに近し、嘉摩穂波皆好郡とすべし、