[p.0958][p.0959]
人国記
筑前国 筑前国の風俗、大体飾り多し、人之心十人は十人みな思々に違り、勇気も一応はつとめとぐるといふとも、かざり有風俗故に、終には何事も成就す間敷国風也、西国に珍敷き花奢のくに也、酒色お好む事、千人に七八百人如此、総じて此国は、万事の風俗わが為に徳つくことなれば、我が親み中絶する人おも親み寄り、親お捨てヽも其人にしたしむの風儀甚不可然なり、