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日本鹿子
十四
同国〈◯豊前〉中名所之部、 規玖(きく) 郡也、高浜長浜などヽ雲有也、赤坂と小倉の間也、 是よりや天の河原につヾくらん星かと見ゆるきくの高浜 蓑島(みのしま) 当国かんたと雲所の東海上一り計也、無双の景地也、 柴津山(しばつやま) 笠結島 古は大歌所の御歌 柴津山打出てみれば笠結の島こぎ帰る棚なし小舟 鏡(かヽみ)の山 宇佐の宮井 文字の関 柳の浦 此浦にて、左中将清経身おなげむなしくなり給ふ所と雲、