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島原記

天草島原一揆蜂起并吉利支丹濫觴之事 寛永十四年丁丑の秋、朝には東方の雲赤く焼け、暮には西方の雲焼け、又所々には不時桜の花咲き、春色に相似たり、是天地の災変也と風聞す、其比島原の庄(○○○○)に隠れ居る吉利支丹の張本人、大矢野松右衛門、千束善左衛門、大江源左衛門、山善右衛門、森宗意と雲五人の百姓、元来肥後国天草の内、大矢野千束村の者也、〈◯下略〉