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薩摩経緯記

我が祖父不昧軒翁の皇国度数譜に雲く、薩藩の経緯お審にするに、東は江戸の城お西に離ること八度二十四分に当れる日向国諸県郡倉岡の東境なる山中より起て、西は十度零十八分に当れる薩摩国高城郡倉津の海岸に至り、南は赤道下お北に距ること三十度零十八分に当れる大隅国大泊伊佐浦の海岸より起て、北は三十一度二十六分なる日向国諸県郡鵜戸の山間〈俗に宇都越と呼ぶ処なり、〉に至り、東西一度五十三分、南北一度零八分あり、此れお当国天地合体の経緯度分とす、