[p.1219]
古事記伝
十六
隼人阿多君之祖、〈◯中略〉阿多君は、〈多清て読べし、濁るは非なり、〉地名に由れり、〈◯中略〉さて阿多てふ地は、和名抄に、薩摩国阿多郡阿多郷あり、是なり、〈此名今も存り〉書紀に、吾田長屋笠狭之崎、神武巻に日向国吾田邑〈古は薩摩までかけて日向国と雲しこと、上に雲るが如し日向国臼杵郡英多あれど、其にはあらず、〉などある、皆此地お雲り、