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西遊雑記

鹿児島南北凡三十町計、西の方山連々とし伊集院といへる所より五里、此道は小山のたきお街道とし、左右の各々村里多し、此故に鹿児島に入るに下り坂あり、南は海西の山際より三五丁、又八町計もあらん歟、せまきやふに見え侍りし也、東北の間白銀坂より、入口は嶮しき坂道、上下三里余、所によりて屏風お立しごとく也、〈◯中略〉鹿児島の要害がため、最上の地といふべし、