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佐藤元海九州記行
鹿児島の城下は、南北凡そ三十一丁、東西は長く入江多し、市井殷富、土俗鎌倉時代の遺風ありと雲ふ、札辻より東なる潮入の川に橋お架して往来に便す、町家の南に番所も有り、海浜には船番所あり、潮入の川多くして、町家は所々に有り、新橋と雲ふお渡れば、本城に至る、此都城は、屋形造の城なり、