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北海道志
四地理
戸口 北見国 宗谷郡、〈東は枝幸郡、南は天塩国天塩郡、西より北は海に至る、方言蜂おそうやと呼ぶ、此地石の蜂に似たるあり、故に以て名とす〉口三百七十、戸八十六、村六、〈◯中略〉 利尻郡、〈抜海の西海に対する島嶼なり、方言りいしりは、高山ある島の義なり、〉口四百零三、戸百零八、村六、〈◯中略〉 礼文郡、〈累蘭の正西に当る島嶼なり、方言れふんしりは、沖の島の義なり、〉口三百十、戸四十八、村四、〈◯中略〉 枝幸郡、〈東は紋別郡、南は天塩国中川郡、西は宗谷郡、北は海に至る、方言あしやしと呼ぶ、山の海岸へ出たる崎の義なり、〉口一百七十一、戸四十六、村四、〈◯中略〉 紋別郡〈北は海、南は常呂郡、及び釧路国足寄郡、西は枝幸郡、及び天塩国上川、中川二郡に界し、北は海に面す、方言もべつと呼ぶ静なる川の義なり、〉口三百九十九、戸九十四、村十、〈◯中略〉 常呂郡、〈東南は網走郡西南は釧路国足寄郡西より、北は、紋別郡、東北は海に至る、方言づころと呼ぶ山崎のある所の義なり、〉口一百二十二、戸三十一、村七、〈◯中略〉 網走郡〈東は斜里郡、南は釧路国川上、阿寒二郡、西は常呂郡、及び釧路国足寄郡に界し、北は海に面す、方言あばしりは漏る所の義なり、此地岩窟あり、水常に滴る、故に名く、明治十四年七月、釧路国網尻郡お併す、〉口三百二十四、戸八十六、町一、村十四、〈◯中略〉 斜里郡〈東は根室国目梨郡、南は同国標津釧路国川上郡、西は網走郡に界し、北は海に面す、方言しやり、或はしやると呼ぶ、湿沢の義なり、〉口二百二十五、戸五十八、村五、〈◯下略〉