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北海道志
四地理
戸口 日高国 沙流郡、〈東は新冠、南は海、西は胆振国勇払、千歳二郡、北は石狩国夕張、空知二郡、及び十勝国河西郡に界す、松前藩の時、佐藤藤馬支配地たり、北藩風土記に、此郷の夷お御味方蝦夷と呼ぶ、昔時蝦夷蜂起の時松前に属し、其後奥蝦夷お説諭するの労あり、故に毎歳恩賜ありしと雲、〉口二千零四十、戸四百五十六、村十八、〈◯中略〉 新冠郡、〈東は静内郡、南は海、西は沙流、北は十勝国河西郡に界す、松前藩の時、工藤平右衛門支配地たり、此亦御味方蝦夷の一なり、此地旧美朴と呼ぶ、国音雅馴ならざるお以て、文化六年、改て新冠と称す、〉口六百四十、戸一百四十、村十一、〈◯中略〉 静内郡、〈東は三石浦河二郡、南は海、西は新冠、北は十勝国河西、中川二郡に界す、松前藩の時、新井田兵作支配地たり、本名仏内にて、曾祖母沢の義なり、往昔此に老母神ありしと雲、〉口二千四百十八、戸四百六十七、村十六、〈◯中略〉 浦河郡、〈東は様似、南は海、西は三石、北は十勝国当縁、広尾二郡に界す、〉口一千六百十一、戸三百十一、村十一、〈◯中略〉 様似郡、〈東は幌泉、南は海、西は浦河、北は十勝国広尾郡に界す、方言しやんおまうにと呼ぶ、名山ある所の義、或曰女夷の名に取ると、〉口七百四十六、戸一百四十一、村八、〈◯中略〉 幌泉郡〈東南は海、西は様似、北は十勝国広尾郡に界す、〉口一千六百零九、戸四百零九、村九、〈◯下略〉