[p.1315]
東蝦夷日誌
五編
浦河(○○) 会所〈◯註略〉元松前家来北川重次郎給所、浜形未申向、〈◯中略〉名義前に雲ふ如し、地名ほんないのつとて、小沢岬なるに、うらかわの名有は、昔しうらかわに有しお此所へ移せし故なり、領内土人多し、〈文政壬午七十五軒、人別三百廿七人、安政寅八十八軒、人別四百四十一人、〉土産鮭、鰯、いりこ、鹿皮、鱒、昆布、其外雑魚多し、 しやまに(○○○○)〈◯中略〉 しやまに( /様似)会所、〈◯註略〉地名えんるんなるお、しやまにへつに住する土人お遣ふ処故に、如斯改りし也、元は松前家家臣蠣崎蔵人の給所なり、此所西南向の一湾にして、潟内に蝋燭岩、ほろしゆま、〈大岩〉ほんしゆま、〈小岩〉と雲岩あり、風景また妙なり、船は未申の風に入て、丑寅の風に出帆、東北に高山有、総て暖地、畑作よろし、土人〈文政壬午改廿三軒、百三十二人、安政庚寅改廿八軒、百七十四人、〉村多し、産物鰯、鯡、鮭、鱒、昆布、煎海鼠、布海苔、鹿皮、其外雑魚多し、