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東夷窃々夜話
十四
くなしり(○○○○)場所大概書 箱館より道法二百余里〈根諸のつけより海上凡五里程、同所にしべつより同拾里程、〉寛政十午年迄、元松前若狭守進退之節、あつけし、きいたつふ、くなしりお三場所と唱へ、手場所と名附、〈◯中略〉 一うろちとまり 会所〈◯中略〉海岸南請、西北は山あり、暖地にて凌方宜、〈◯中略〉蝦夷家百三拾三軒、総人数五百五拾弐人、内男弐百五拾壱人、 女三百壱人、 東蝦夷地えとろふ島(○○○○○)大概書 寛政十一己未年、御用地被仰出、同十二庚申年、新規開発、えとろふ島北極出地、〈たん子もい四十五度十分ふうるへつ あといや四十六度〉此島未申より丑寅に流れて、周廻凡二百余里、南はくなしり島に渡り、北はうるつふ島に連り東西は大洋にして、島中には高山並び峙ち、蝦夷村は西浦にありて、東浦には近来土人住居なし、松前より行程凡三百里なり、総蝦夷村拾三け村、同家数百八十六軒、人別九百九十四人、内、〈男四百八十八人、女九百六人、〉