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台湾形勢一斑
地位 本島は支那海上の一大島にして、東北には琉球お控へ、西南には南支那の福州に対して黄海の南お扼し、南方は遥かにふいりつぴん諸島と相対す、 経緯度 本島は北緯二十一度五十四分三より、二十五度十八分五に至り、東経百二十度七分五より、百二十二度十五分に至る、澎湖島は更に西に離れ、其西端の半坪島、及高島の二島は、東経百十九度二十分に位す、 地勢 本島の地勢は、南北に長く、東西に狭く、中央より稍東に偏して、略南北の方向に走れる一条の山嶺あり、此山脈は本島の中部より南部に著しく、九千尺より一万尺以上の峯巒にして、之より東は急激の傾斜お以て海に入り、西は坡陀たる丘陵おなして平野に没せり、北部は之に反し、山岳の位置此の如く整然たらずして、数多の秀峯錯雑して起伏し、且丘陵多し、 面積 凡二千三百十一方里八六〈九州本島より小なること四十二方里◯中略〉