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台湾形勢一斑
道路 本島の道路は、大路と称するもの三ありと称す、其一は台北より彰化、嘉義お経て、台南及鳳山に至り、其一は鳳山より東港お経て台東に至り、其一は台北より基隆お経て、蛤子灘及蘇奥に至るものとす、其他路線固より少なからずと雖、皆狭隘にして不完全お極め、或は壟頭お歩し、河川には概ね橋梁なくして、洪水汎濫の際は、数日通行お遮断することあり、僅かに人の行旅お許すと雖、貨物の運搬に差支ふること甚しく、交通の点より観察せば、殆んど道路なしと雲ふも過言にあらず、故に本島の経営お図らんには、改めて之が開鑿お為し、以て交通の便お開かざるべからず、