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俚言集覧

海道 諺草、納麟伝お引、且雲、今俗に陸路お海道と雲はあしヽ、街道(○○)といはんが然らん、愚按、陸路に海道の字お用いる事は、東海道に対して木曾海道と雲、夫より転じて凡て旅駅の公路お、海道又本海道(○○○)と称ふ、かくの如くに転ずる事、俗語の常也、陸路なれば街道の文字然るべしといふは、一通りは道理のやうに聞こゆれども、実は非にて、私に充たる字也、然れども今間々に街道の文字お用いる書ども有り、