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新編常陸国誌
三十九墳墓
一里塚 大道中路凡てこの塚あり、三十六丁にして道路の左右に必ずこの塚お置く、墳上榎樹お植ゆ、古くは一里山とも雲しにや、延宝路程記には一里山とあり、此塚お始め置かれし時代諸説多し、一に雲、信長の時なり、一に雲、秀吉の時なり、皆非なり、神祖の御代なり、信長の時と雲ものは是にあらず、何となれば、信長武将の位に居るといへども、未だ天下お一統することなくして薨ず、且関東奥羽三十六丁お以て一里とするものは秀吉の制なり、信長の時置かれしと雲ものヽ非なるお知るべし、