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東遊記
後編二
三本木台 南部の地は、今も六丁お一里と雲、余初め宿より宿の間お尋るに、或は二十五里、三十二里抔いひしに驚しが、後には馴て常に成たり、道平なる所などは、馬に乗りて道おいそぎし事ありしが、南部の地にては、一日に七八十里、又は百里も径行せし事ありき、仙台領津軽領も南部に近き地は、たヾ六丁お一里と雲、六十丁お大道一里と雲、其地の人に里数お尋るに、其人大道(○○)か小道(○○)かといひて、幾里ありと答ふ、総而古風なる事多し、