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典籍解題
十四別紀
東山道 ひうかしのやまのみち、又ひうかしのみち、又うめつみち、〈西宮記〉又山の道、東のみち〈北山抄〉など訓ず、古事記に、東道とあるは、今の東山道なり、按るに、崇神御時、四道将軍お遣されしころは、国おほくひらけず、東道といふは、近江、美濃、信濃、〈按るに、此信濃といふは、今の松本領飯山領のあたりなるべし、〉上野等の高き所のみひらけて、臼氷峠より未はいまだ道通ぜず、それより後国次第にひらけて、東山道、近江、美濃、飛騨、信濃、上野、下野、秩父、甲斐となる、続紀光仁宝亀二年、秩父甲斐お東海道へ属し、陸奥出羽お加ふ、〈◯下略〉