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典籍解題
二十一
西海道、にしのみち、又にしのうみのみち、〈西宮記〉或は西の道〈北山抄〉とよめり、民部省図帳には西海浜道とかけり、延喜式に、この属国お為遠国といふ、凡九国二島、按るに、国造本紀に、壱岐島造、対馬県直と書して、国造とせず、延喜式和名抄にも島としるせり、また文徳実録滋野朝臣貞主上表雲、九国二島郡県闊遠雲々、職原抄大宰の下に、凡当府都管九国二島とひたり、拾芥抄にのみ西海道十一国とありて、諸国のなみに守領の名お書す、佐渡隠岐等のごときも今皆すでに国と称すれば、十一国とせるにしたがふべきに似たりといへども、古書にその例すくなきおもつて、みだりに改る事おせず、