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橘窓自語

天明六年九月、粟田新感神院の祭礼、将軍家〈俊明院殿〉御事にて延引して、十一月になりたり、此祭礼に白川の流の末、知恩院ちかきわたりに、一本橋とてかりそめに石お二枚計りわたしたる橋(○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○)お、祭の剣鉾おもちて夜半ばかり、夜わたりとてとほる事あり、