[p.0096]
松屋棟梁集

隅田河埋木文台記 浮橋は十六夜日記に、舟おならべてまさきの縄にやあらん、かけとヾめたる、夫木抄に、〈雑三橋部、法眼慶融歌に、うき橋に竹のよりづな打はへて小舟ならぶる富士の川浪とあり、〉竹のより縄打はへて、おぶねならぶるなどいひたれば、もはら舟橋におなじ、その図は一遍聖絵、〈第六巻、富士川の条に見ゆ、大縄二条お引わたしその縄に舟およこさまに所々につなぎ、舟の上へ縦横に木や板お置ならべて造れる図也、慶融が歌のさまにつゆたがはず、〉