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源氏物語
二十九行幸
しはすに大原野の行幸とて、世に残る人なくみさはぐお、六条院よりも御かたがたひき出つヽみ給ふ、〈◯中略〉めづらしうおかしきことにきおひ出つヽ、その人ともなく、かすかなるあしよはき車など輪おおしひしがれ、あはれげなるもあり、うきはし(○○○○)のもとなどにも、このましうたちさまよふ、よきくるまおほかり、