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飛州志
一土地
橋梁之製 本土の橋梁は渓澗の急流にあり、故に激水の為に破らるヽわづらいあるにより、橋杭お用ること希也多く桟道に造れり、凡てはしの号あるものお載、其作用お記す、 桟道 是お作るは先づ橋杭の如き大木お以て、其木の半は岸の土中に埋め、半は河にさし出せり、是お第一のは子木と雲ふ、数は橋の長短広狭に随つて、二本より三四五本にも及び、一面に並べり、此は子木河にさし出す処二間出るは、地中には三間余蔵むる也、其岸おば石垣お用い、枠お造り石お詰めて堅固にいたすお橋台と雲ふ、如此両岸より出す所お、両は子木の上に橋桁お引宣し、其余鋪板欄干等の用材お備ふること常に例の如し、猶長橋に至つては、両岸のは子木二重も三重もあつて、其継目毎おば鉄お以て巻かたむる也、俗は子橋と雲へり、