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飛州志
一土地
橋梁之製 藤橋(○○) 是お造るは獼猴口藤といふ太き藤お幾筋も結び、延て綱と成し、両岸にはり宣し、岩石に結ひ固む、号して踏藤と雲ふ、又同じ藤綱お其左右にはる、手綱藤といふ、是橋の欄干に比せり、如此の用意調えて後、雑木お伐つて打割、踏藤の上に並べて、藤お以て簀の子の如く緘付て、鋪板の代りとす、号して踏木と雲へり、其長橋に至つては、凡廿余間なるものあり、是等は踏藤緩み延て、他邦の人わたれば足下甚だ動揺して、曾て進み得ざる也、其地の人には〈老若男女ともに、自在の通用路として古今に至る、〉猶毎歳あらたに造る事也、