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異本曾我物語

助経も伊豆より鎌倉へ上りけるが、大磯宿にて、昼の休して通りけり、助経立て後、亀若と雲ふ傾城出来、〈◯中略〉唯今の程金屋河大橋お越え給ふらんと語りつれば、五郎これおきき、十郎に吃と目くばせし、〈◯中略〉二人打連、駒お早めて行程に、戸上が原にて追付たり、