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江都管鑰秘鑑

両国橋元禄享保御普請之事 星霜押移て元禄九〈子〉年三月、両国橋御普請被仰付、今度町奉行の承りとて、下奉行には川口摂津守与力長岡金右衛門、植村伝大夫、下役には同心野村弥兵衛、大久保彦右衛門、永沢四兵衛、能勢出雲守組与力には勝田八右衛門、山本兵大夫、平塚伊右衛門、下役太田吉右衛門、早乙女清助、是等常に出役として出来す、其節御鎗奉行立会に出けるよし、町年寄の内にては喜多村彦兵衛、棟梁には西井儀兵衛、山村吉兵衛、掛りのよし也、同年九月六日成就せしが、以後は本所奉行支配となる、然るに其後年暦お経て、元禄十六〈未〉年十一月廿九日の大火に、橋の西の方半分程焼失いたし、此節伊奈半左衛門承りにて、橋かけつヾき出来す、それより又はるか過て、享保三〈戌〉年御作事奉行(○○○○○)へ被仰付、御修覆有けるに、程なく享保四〈亥〉年、前段のごとく命ぜられて、今は何事も町奉行の支配とはなりぬ、