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撰集抄
三上
浄蔵は善宰相のまさしき八男ぞかし、〈◯中略〉父の宰相公〈◯三善清行〉の此土の縁つきてさり給ひしに、一条の橋のもとに行あひて、しばらく観法して蘇生し奉られけるこそ、伝へ聞も有がたく侍れ、扠其一条のはしおもどり橋といへるは(○○○○○○○○○○○○○○○)、宰相のよみがへり給へるゆえに名付て侍る(○○○○○○○○○○○○○○○○○○○)、源氏の宇治の巻に、ゆくはかへるはしなりと申たるは、是なりとこそ行信は申されしか、宇治の橋といへるは、誤れる事にや侍らん、〈◯又見壒嚢抄〉