[p.0206]
都林泉名勝図会
一坤
四条祇園橋(○○○○○)とて、昔は三条五条に等く官橋(○○)也、〈◯中略〉洪水にて損じぬれば、後世仮橋にてゆきヽおわたす、河原広くして、観物貨食茶鄽多し、特にみな月半、祇園の夕凉に美艶お粧ふ風姿のゆきヽ、万灯水の流に輝き河原表の壮観、みな平天下の欧歌なるべし、 四条橋 栲亭 月照紅楼隠翠楊、徘徊倚檻夜如霜、蛾眉長袖青糸騎、箇箇写成影也忙、 賀茂川の西岸に榻お下して 蕪村 丈山の口が過たり夕すヾみ 四条納凉 定雅 凉しさや群集の中に水の月 同じく 才嬌(浪花) 夕凉夜の都のにしきかな