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橘窓自語

嵯峨大井川の橋お渡月橋といへども、古名は法輪寺橋といひて、ふるくより有る橋也、又東梅津よりかみ野むらにわたすはしお上野橋といへり、この橋は元禄八九年の比にはじめてかけたり、それまでは船わたしにて有けり、〈◯中略〉 東寺に所伝の応永廿六年七月、寺領お掠申につきての図おみるに、嵯峨渡月橋お法輪寺橋とし、一の井堤法輪寺橋の下にあり、