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保元物語

官軍方々手分の事 基盛大和路お南へはつかうするに、法性寺の一のはしの辺にて、馬上十騎ばかり、ひた甲にて物のぐしたるつはもの上下廿余人、都へうてぞのぼりける、基盛これはいづれの国よりどなたへ参ずる人ぞととひければ、このほど京中物匆のよし承るあひだ、その子細おうけ給はらんとて、近江に候者の上洛仕るにて候とこたふ、