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康富記
嘉吉三年四月二日丁亥、参伏見殿有御読、宮御方被語仰下雲、昨日被注下長柄橋事、〈◯中略〉弘仁三年に造らるヽよし国史に見えたれば、〈◯中略〉弘仁は新造歟、修造歟、不可弁之由も見えたり、又古老伝に人柱たてられたりともみゆ、最初の事ともみえず、密勘の註には子負たる女おとらへて人柱にたてたりと雲へり、今程猿楽などの能には、男お人柱にたてられたりともみゆ、凡長柄橋の事、古の歌仙も在所おば慥に不知雲々、わたの辺のあたりにかけたる橋雲々、