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神都名勝誌

下樋小河 中世上河と称せしならむ、永享参詣記に、永享五年弥生廿日、うへ川の橋(○○○○○)と申す所にて、旅人の影さへ見ゆる渡かな春引く水の上河の橋と詠ぜしは、此の河に架せる橋なり、さて江家次第中右記等にも、また下見橋(○○○)のことあり、神名秘書には下樋橋(○○○)と雲へり、此等の書にいふ下見橋は、即勅使祗承の交代する所なれば、うへ川は即下樋小川の別名にて、下見橋は下樋橋なることお察知すべし、