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尾張名所図会
後編二中島
起川〈村(富田)の西なる木曾川おいふ、(中略)船渡りは昼夜絶間なく、公私の旅人往来、将軍家御上洛の節と、朝鮮人来聘の時は舟橋(○○)おわたす、数百艘〉〈の舟お横に並べて、大綱及び大鏁もてつなぎ、其上に板お渡して陸地おあゆむが如くす、其大造なる事、むかしの佐野の船橋はいざしらず、今の世に名お得たる越中国神通川の船橋にははるかにまされり、誠に海道第一の壮観といふべし、佳境遊覧曰、大樹御上洛之時、懸造於此川也、朝鮮人来朝、又造有此、舟二百五十艘為舟橋、舟与舟間三尺余、用大鉄条繫合、布板於其上雲々、〉