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枕草子
十二
ある女房の遠江守の子なる人おかたらひてあるが、おなじ宮人おかたらふときヽて恨みければ、親などもかけてちかはせ給ふ、いみじきそらごと也、夢にだに見ずとなんいふ、いかヾいふべきといふときヽて、 ちかへきみとおつあふみのかみかけてむげにはまなのはし見ざりきや