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遊囊剰記
二十一
猿橋長十六間、橋杭なし、水際まで卅三尋、桂川の両崖、岩肩に造かけたり、桂川は花咲川葛野川合流し、末は鶴川、鶴島等の衆水お合せて相模川となる、大月の橋落る時は、此橋爪より下和田へかヽり、花咲川お渉て花咲の宿え出るといふ、又猿橋駅の人家より、近年石塔お堀出せしに、一は貞治六年三月日、一は応安七年五月日と刻めり、昔此処に光明院といふ寺ありけるとぞ、