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江戸鹿子

橋 日本橋 南北にわたされて、橋の上にて見れば、旭日東嶺に出るおまのあたりにのぞみ、又西山にいり、虞淵に類する有さま、眼前に見つくしてならぶ橋なし、よつて日本橋と名付とかや、〈◯中略〉橋の下には魚船、槙船、あるは乗合の船どよみになりて、駒形、両国、金竜山まで乗合よと、我こえごえによぶも、目さむるこヽちして、すべて物のわけもきこへず、