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御府内備考
十三
大川橋 浅草志雲、大川橋は花川戸町より本所中の郷へわたす、長八十四間、幅三間半、行桁二十三、橋杭八十四、掛渡しの発起は花川戸町伊右衛門といふもの也、其子五郎右衛門相続て請負人と定む、五郎右衛門が記したる覚書左のごとし、 橋新規掛渡之儀、初て明和六丑年四月九日、依田豊前守様御番所江御願申上置候、同八年八月中御役替に付、曲淵甲斐守様御番所江御願申上、追々御糺之上、安永三午年五月五日、橋新規掛渡し、松平右近将監様御差図に而被仰付、同年十月十七日皆出来、御見分相済、同日往来渡り初之事、 但大和国老人渡り初抔と申事、一向無之候、 大川橋と申御高札被下置候 但東橋(○○)と申義は、世上にて掛渡し迄之間之風説いたし候事、