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近世奇人伝

池大雅〈附妻玉漣〉 大雅池氏〈◯中略〉漢法の山水お画はじめたるころ、扇に図して自携へ、近江、美濃、尾張の国々に售んとす、人多怪て買者なし、於是むなしく京へ帰らんとて、瀬田の橋おわたる時、其扇お出しことごとく湖水に投じて曰、是おもて竜王お祭ると、後いくほどなく書画の名海内に擅なり、