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十六夜日記
すのまたとかやいふ河には舟おならべて、まさきのつなにやあらん、かけとヾめたるうきはしあり、いとあやうけれどわたる、此川つヽみのかたはいとふかくて、かた〳〵は浅ければ、 かたふちの深き心はありながら人目づヽみにさぞせかるらん かりの世のゆきヽとみるもはかなしや身おうき舟の浮橋にして、とぞおもひつヾけヽる、