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岐蘇路記

是〈◯板敷野〉より七八町下りて木曾の桟あり、木曾川に掛たる橋にはあらず、山の阻道の絶たる所に掛たる橋なり、右の方は木曾川の際なり、横二間、長十間ある板橋なり、欄干あり、両傍は石垣お築く、昔は危き所なりけらし、今は尾州君より此橋お堅固に掛玉て、聊危きことなし、