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河海抄
二十
夢浮橋〈◯中略〉 此巻お夢浮橋と題する事、詞にも見えず、歌にもなし、古来の不審也、凡夢のうきはしとつヾけたる事、是よりはじまれり、夢のわたりのうきはしとあり、歌につきていへる歟、〈◯中略〉浮橋は生死のおこり、煩悩の根元也、夢とは世間出世の法、皆如幻如夢なりと雲心歟、