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源氏物語
四十六椎本
宰相〈◯薫〉は、かヽるたよりおすぐさず、かの宮にまうでばやとおぼせど、あまたの人めおよぎて、ひとり漕出給はん舟わたりの程も、かろらかにやと思ひやすらひ給ふ程に、かれ〈◯八宮〉より御ふみあり、