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源平盛衰記
三十二
落行人々歌附忠度自淀帰謁俊成事 落行平家の人々、〈◯中略〉相伝譜代の好み不浅、年来日比の重恩も争か忘べきなれば、人なみ〳〵に涙お押て出たれ共、心は都に通つヽ、行も行れぬ心也、淀の大渡(○○○○)にては、南無八幡三所大菩薩、再都へ返し入給へと、各伏拝給へども、神慮誠にしり難し、