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土佐日記
夜るになして京には入らんとおもへば、いそぎしもせぬほどに月いでぬ、〈◯承平五年二月十六日〉かつら河月のあかきにぞわたる、ひと〴〵のいはく、この川あすかヾはにあらねば、ふち瀬さらにかはらざりけりといひて、或人のよめるうた、 久かたのつきにおひたるかつら川そこなるかげもかはらざりけり