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源氏物語
三十二寄生
いづみ河の舟わたり(○○○○○○○○○)も、まことにけふは、いとおそろしうこそありつれ、この二月には、水のすくなかりしかば、よかりしなりけり、いでやありきは、あづまぢおおもへば、いづこかおそろしからむなど、ふたりしてくるしとも思ひたらずいひいたるに、しう〈◯浮舟〉はおともせでひれふしたり、