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勝地吐懐篇
二加
右の歌、流布の本は大小二本ともに、かしはのわたりと有、故に援に別に立之、類字にはかしいのわたりとて、香椎の歌とす、夫木抄にも雲葉と注して、おなじくいへり、今案、此歌万葉にも、家持家集にもなければ、おぼつかなけれど、柏はかれつればしろくなれば、白妙のかしはとつヾくべし、白妙の香椎とは、葉に付ても、実に付ても、つヾくべき理なき故に、しばらく現本にしたがへり、猶正本お考べし、