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夫木和歌抄
二十六渡
〈みわたり伊勢〉 鴨長明 みわたりのいそわのうつぢなおふかしあさみつしほのからきけふかな 此歌伊勢記雲、みわたりと雲所あり、塩干ぬれば、こなたのさきより、かなたのすさきへ、なかばみちぬる時は、めぐりて松崎と雲所おわたる、しほみちていればこれらおばえわたらで猶遠くめぐりて、いはぶちといふ所おわたる也、しほひにしたがひて、渡の三所にかはれば、みわたりとは雲なりと雲々、