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伊勢参宮名所図会

七里の渡 旧名は間遠(まどお)の渡(わたり)といふ、天武天皇尾州熱田遷幸の時、此渡海長きによりて、間遠也と仰ありて、著岸お待兼給ひしより、 〈古歌〉 有明の月に間遠のわたりして里に急がぬ夜半の舟人 不知読人 〈此渡りは伊勢尾張の境、木曾川の落合此に入る、風あしき時は尾州佐谷に廻るべし、行程三里、渡し有、又佐谷よりの陸地は、神守烏森おへて熱田へ出る也、〉